「拒食症でも過食症でも生きているし、それだけですばらしいこと。」過食症体験談インタビューvol.2

過食症体験談vol2「森兼翔子」過食歴3年6カ月。年齢:30歳

過食症歴3年6カ月。
拒食症歴も含めると10年間。拒食症から一気に過食嘔吐になり、長い苦しみを経て現在は”嘔吐なし”の過食症で落ち着いている森兼翔子さん。「拒食症でも過食症でも生きているし、それだけですばらしいこと。」と感じられるようになるまでに、どのような背景があったのでしょうか?

Q.過食症になったきっかけを教えてください

私は拒食症の反動で過食症になりました。
拒食症→過食嘔吐→非嘔吐過食という流れで今に至るので、そのストーリーを簡単にお話したいと思います。

過干渉の母親の影響で拒食症になったことが始まり

私は小さい頃から「母親に愛されていない」と感じて育ちました。
母親はとても気分屋で、私の言動1つ1つによくイライラしていました。私を愛しているというよりも自分の気分だけで感情を向けられることが多かったです。

それでも、子供の私にとって母親は大きな存在だったので、私もイライラすることは多かったけれどいつも謝るのは私でした。しかし私がどんなに謝ったとしても、母親が父親にたいして「あんなコ(私)、可愛くない。」と漏らしているのが聞こえてきて、「あぁ、私は母親に愛されていないんだ」と感じました。

それでも、私のなかには「母親の求めるいい子でありたい」という価値観がつくられました。
「親の機嫌を損ねることはしてはいけない」「太っているのは悪いこと」などなどです。今でこそ分かりますが、過干渉の母親につくられた価値観です。

こういった価値観にある日限界がきて、私の拒食症は始まりました。
まず最初に、抑えていた「母親が嫌い」という気持ちがピークになりました。そして、母親がつくるご飯を一切食べたくなくなりました。母親がつくって置いてくれているご飯をゴミ箱に捨てたり、作ってくれたお弁当をコンビニのゴミ箱に捨てたり、母親への感情をぶつけるように食を拒むようになりました。

ただ、母親に反抗すると同時に「太っているのは悪いこと」という価値観は自分のなかにも根付いてしまっていたので、そこはまだ母親からの価値観に支配されていたのだと思います。

拒食症と過食症は表裏一体。拒食の反動で過食嘔吐へ

拒食症の時期は5年ほど続きました。
下の写真は拒食症当時の私ですが、体重は30kg台にまで減りました。

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当時は見た目のとおり体調が悪いことが多かったです。すこしの運動もしんどかったです。けれど、痩せていることで自分に価値を感じられていたので、はじめて自分をすこし好きになれたときでもありました。

しかし、この状態が長続きすることもなく、次第にあらゆる面で不調が目立つようになりました。ホルモンバランスが崩れ、生理前になると抑うつがひどくなり何度も死にたい衝動に襲われました。そして、そのたびにリストカットをしていました。

そういった経緯から、医者にピルを飲むように言われました。ピルを飲むと、ホルモンの状態が妊娠しているときと同じ状態になります。普段よりも食欲を感じるようになるので、「これまで無理やり抑えていた無性に何かを食べたい衝動」が次から次へと沸いてきて、もう抑えることができませんでした。そして、気がづけば毎晩のように過食するようになりました。

性格に自信のない私は、痩せていることだけが取り柄でした。
だから、過食してしまう自分がとても怖かったです。食べたら太ってしまうのに食べてしまう自分。どんなに頑張っても、どんなに自分を責めても、食欲をコントロールできない自分。不安で不安で、その不安をさらに食べ物で一瞬だけ満たしては、後からくる大きな罪悪感で苦しんでいました。

「このままでは唯一の存在価値をなくしてしまう・・・」
「絶対に太るのは嫌だ・・・」

そんな私が、拒食から一気に過食嘔吐になるのは、自然なことだったのかもしれないですね。ただ太りたくないという気持ちから、食べたものを吐き出すようになりました。そして、食べたら吐く、というのが日常になりました。

苦労の末に”嘔吐あり”から”嘔吐なし”へ

過食嘔吐の時期はとても苦しかったです。
はじめは「食べても太らない!」ぐらいに思っていましたが、食べることをコントロールできないだけでなく吐かずにいられない気持ちもコントロールできなくなり、さらに不安は強くなりました。

母親との関係は相も変わらずだったので、親には相談できませんでした。
「家族に相談できない」ということも大きなストレスでした。

そんな私にとっての唯一の救いは、信頼できるカウンセリングの先生がいたことです。
唯一、自分の気持ちを素直に話せるのがカウンセリングの先生でした。そのカウンセリングの先生に「吐くのは自傷行為だから、苦しいかもしれないけれど”吐かない”って約束してほしい」と言われることがありました。

自分を信頼してくれている人の気持ちに応えたいこともあって、私はその日から嘔吐をやめました。長く続いていた嘔吐をやめることができました。これが27歳のときのことなので、それから今までの3年以上の間、一度も嘔吐していません。

もちろん、すぐに嘔吐したい衝動がなくなったわけではありません。また過食がおさまったわけでもありません。むしろ、嘔吐したい衝動との闘いはとても大変なものでした。だけど、その日からきっと、過食症と本気で向き合い始めたんだと思います。

Q.過食症改善に少しでも効果があったことを教えてください

色々ありますが、大きな2つを紹介させてください。

認知行動療法

認知行動療法は「摂食障害に効果が高い治療法の1つ」と言われています。
私はカウンセリングの先生に教わってから認知行動療法をおこなうようになりました。認知行動療法とは、マイナスな考えや歪んだ考えを正しい考え方に修正して、正しく物事を認知する療法です。とは言っても難しいことはなく、基本的には自分の感情を書く習慣をつくるだけです。それによって客観的に自分の考え方のクセに気付くことができます。

過食症は「自分のことを嫌ってしまう考え方」からきている部分もあるので、自分の考え方のクセに気付き、それをすこしずつ修正することでかなり過食の頻度がおさまりました。何よりも、認知行動療法をおこなっていく過程で「ありのままの自分」をかなり受け入れられるようになったことです。これにより日常的な感情の波も減りました。

ちなみに、カウンセリングの先生だけでなく下記の本にも助けられたので、過食症に苦しんでいる人たちにぜひ読んでもらいたいです。

ボランティアで人の役に立てる自信がついた

過食症がひどい時期に、私は人の相談にのるボランティア活動をはじめました。
こんな自分の経験でも誰かの役に立てるかもしれないし、誰かの役に立つことで自分の自信をつけたいと思ったからです。

活動してみた結果、誰かのための自分になることで、自分の存在価値を見出すことができました。また、3年近い活動期間のなかで、家にもどこにも居場所がなかった私に「愛情を向けてくれる繋がり」がたくさん生まれました。今では、そういった繋がりが「もっと生きたい」という気持ちや「過食症を克服したい」という気持ちの原動力になっています。

Q.過食症を経験して今感じていることを教えてください

最近読んだ過食症の本に、「過食症は痩せたい病気」と書かれていました。そのフレーズを見たときに私はハッとしました。拒食症の時も、過食嘔吐の時も、非嘔吐過食のときも、私は痩せたかったのです。

そして、「痩せたい」の根底にあるのは、「自分に自信がないこと」です。
自分に自信がないから、見た目だけでもテレビのモデルさんのような理想の体型になりたかったのだと思います。「痩せていること=自分の価値」になっていました。

だからこそ、今は、自分の性格を好きになってあげることが大切なのかなぁと感じています。そして、自分の性格を好きになるために、自分の心について見つめなおしたり、誰かのために働きかけたりして、そのままの自分をかなり受け入れられるようになったと感じています。

「拒食症でも過食症でも生きているし、それだけですばらしいこと。」

そんなふうに感じています。
そんなふうに感じられるようになって、心が前向きになりました。

まだまだ完全に過食症がおさまったわけではありませんが、これからも自分自身の心の声を聴きながら、自分と仲良くしていきたいと思っています。そして、これからも自分自身の経験を誰かのために活かしていきたいと思っています。

Q.最後に、過食症の人たちへメッセージをお願いします

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私は拒食症も含めると摂食障害と10年ぐらい闘ってきました。
拒食や過食という方法でしか、自分のツラさを表現できなかったし、周りに苦しみを理解してもらいたい気持ちを表現できませんでした。でも、今は、違う方法で「生きる道」を見つけつつあります。

過食症の皆さん、どうか、諦めないで。
あなたなりの「生きる道」を探してください。

今を生きていることはキセキです。
本当に生きていてくれてありがとう。

生きてさえいれば、過食症は必ず克服できます。
なのでどうか生きることを諦めないでね。

そして、今日、私のインタビューブログに出会ってくれてありがとう。
今生きている、この出会いに感謝して。。。
またね。

森兼翔子さんのプロフィール
1986年3月28日生まれ30歳
18歳でうつ病になり、20歳で飛び降り自殺をしてしまって車椅子生活になる。現在リハビリ中。趣味はピアノと読書。当サイト「リコの笑顔」や、悩み相談サイト「ココトモ」で活動しています。

▽森兼翔子(みか)のプロフィール詳細はこちら
http://rico-smile.com/author/mina/

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